和柄の特徴と言えば、1つ1つに意味があるといった点です。西洋の幾何学模様などは、見た目の素晴らしさが重視されるので、1つ1つのモチーフに対し、意味を持たせるといった拘りはそれ程ありません。一方、和柄の生地は、日本の伝統や季節をモチーフにしたものが殆どです。作り手の思いが込められていることも多く、生地から当時の文化や世相を感じとれることも少なくありません。色や柄を感覚的に楽しむだけでなく、込められた意味を活かして生地を利用することが出来るのは、和柄ならではの特徴と言えます。
和柄の生地を選ぶ際、1つの目安となるのが色ではないでしょうか。明るくはっきりした色使いほど若々しい印象になりますが、模様が違えば同じ色でも印象は大きく変わります。また、モチーフの大きさや生地が使われる面積によっても印象は変わってくるので、色を考える時は模様とセットで考えることが欠かせません。
和柄の生地を選ぶ際、やはり注目したいのは模様の意味です。桜の花模様も梅の花模様も、見た目はどちらも綺麗な柄と言えます。しかし、桜は物事の始まりを意味している一方、梅は忍耐力の象徴と言われており、意味は正反対になります。綺麗な柄を身に纏うといった点では同じかもしれませんが、周囲に与える印象は真逆となることもあるので注意が必要です。また、同じ和柄でも、ちりめん生地とコットン生地といったように素材が変われば、印象も変わります。模様を選ぶ際は、素材選びもあわせて行うことが大切です。